さよならだけは言わないで
-五輪真弓
別(わか)れ雨(あめ)がわたしの
心(こころ)を 濡(ぬ)らす
あなたはもう傘(かさ)さえ
寄(よ)せてくれないのね
あの楽(たの)しい日々(ひび)は 愛(あい)のかげぼうし
夢(ゆめ)だというの
この街(まち)の角(かく)に春(はる)が来(き)ても
明日(あした)からは ひとり歩(ある)くわたしの前(まえ)に
うしろすがたのあなたが見(み)えるだけ
行(い)かないでひとこと
ひざまづいても
心(こころ)の奥(おく)のさびしさ
いやせはしないのね
今(いま)さよならだけはいわないで
そんな言葉(ことば)を
幸(しあわ)せおきざりにたったひとつ
そんな言葉(ことば)を
二人(ふたり)の愛(あい)の思(おも)い出(で)にしたくない
今さよならだけは言わないで
あの楽(たの)しい日々(ひび)は 愛(あい)のかげぼうし
夢(ゆめ)だというの
この街(まち)の角(かく)に春(はる)が来(き)ても
明日(あした)からは ひとり歩(ある)くわたしの前(まえ)に
うしろすがたのあなたが見(み)えるだけ